人と話すこと自体が、さらにめんどくさくなる

人と話さない状態を長期間続けた場合、このようなループに陥ります。

人と話さない
  ↓ 
会話の感覚が少しずつ鈍る
  ↓
「何を話せばいいのかわからない」と感じる
  ↓ 
結果、さらに話すのがめんどくさくなる

(写真提供:Photo AC)

最初は、「今日は疲れているから話さない」だけだったはずが、数日、数週間と続くうちに、違和感が出てきます。

久しぶりに誰かと話そうとしたとき、

・最初の一言が思いつかない

・どんなテンポで返せばいいかわからない

・うまい切り返しがぱっと出てこない

そんな感覚に襲われるのです。

この時点で、多くの人はこう思います。

「なんか自分、会話下手になったな」

「会話してるの、気まずいな」

すると、話す前から何を話したらいいかとか、どういう流れにもっていったらいいかとか悶々と考え、気力を使ってしまい、

「やっぱり今日はやめておこう」

と会話そのものからどんどん逃げるようになっていきます。

言葉の選び方、間の取り方、相手の反応を見る余裕といった「人との会話力」は、才能というより、使っているかどうかでかなり左右されます。これらをうまく使いこなせなくなったとき、

「自分はコミュニケーションが苦手なんだ」

「もともと向いてないのかもしれない」

と、原因を性格や能力に求めてしまいがちですが、実際には単に使っていなかっただけ、ということがほとんどです。

患者さんの中にも、

「人と話すこと自体がイヤになったわけじゃないんです」

「ただ、きっかけが掴めなくて」

「変な空気になって気まずくなるのが怖い」

という声はよく聞かれます。

・一人でいたいわけではない

・人が嫌いになったわけでもない

・むしろ、「誰かと話したほうが楽になるかも」と、どこかでわかっている

それでも、

「今さら何を話せばいいんだろう」

「うまく話せなくて変に思われないかな」

という不安が先に立ち、身体が動かなくなってしまうのです。