治験専門の診療科 治験も治療選択肢のひとつに
主治医の紹介を受け、小松さんが扉を叩いたのは、ゆりかもめの有明駅から歩いて数分にある、国内有数のがん専門病院、がん研有明病院にある「先端医療開発科」です。
先端医療開発科は、全国でも珍しい「治験専門」の診療科。世界中で開発中の80種類以上の新薬について、主に安全性や適切な投与量などを確認する早期の治験を行っています。“ファースト・イン・ヒューマン”といわれる、新薬を人体に対して初めて投与する治験も、この診療科で取り扱っています。
安全性を確かめるという言葉に身構えてしまいましたが、先端医療開発科の部長で、小松さんの現在の主治医でもある北野滋久医師は、治験は多くの患者にとって新たな治療の選択肢になりつつあると話してくれました。
北野滋久医師
「よりよい治療をつくっていくことが私たちの使命。科学技術の進歩によって、早期の治験でも効果が認められる患者の割合は明らかに年々増えています。自分やご家族、誰かががんになるという時代に、治験というものが治療選択肢のひとつになり得るということを世の中の人に知っていただくことはすごく大切だと思っています」
小松さんは、昨春から治験に参加し、今も3週間に1度、未承認の薬の投与を続けています。小松さんの状況がどうなっていくのか、詳しくは番組をご覧ください。
治験を受ける小松さん(写真提供:NHK)
この取材をきっかけに、私たちは国内外のがん医療の最前線の現場を訪ねました。そこで目にしたのは、これまでなら難しかったことを可能にしようとする様々な挑戦でした。