――謎解きブックの3ページ目、「はじまりの謎」をご覧ください。
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十中八九、「ごふくてん」だろうなあ。
現存する日本の百貨店の多くは、江戸時代の呉服店から発展した呉服系の百貨店と、昭和初期に生まれた電鉄系の百貨店に分けられる。たしか福来屋は、京都発祥の呉服店に由来したはずだ。
厳密には、江戸時代には「ごふくてん」ではなく「ごふくだな」と呼ばれていたらしいが、問題の難易度を上げすぎないように現代で広く使われている「ごふくてん」という読み方を採用している可能性が高い。吉晴は謎解きブックを開いた。イベントスペース内に展示されたさえずり屋全体のイラストをヒントに、クロスワード形式で□□□□□を埋めるように指示されている。さえずり屋の店先で屋台販売されている江戸時代に大流行した天ぷらの油――ヒント! ○○せんべい、○○とうふも人気だよ――ごま油。店先で商人二人が話している。□□□□□のお客様といえばなんと言っても○○だよ! 平和な世の中になって、刀や弓の腕前よりもきれいな服を着て将軍様に礼儀をつくす方が大切になったんだ――武士か侍……御家人? いや、二文字なのだから、武士だ――そして一文字目の濁点を除外。対象年齢に小学生を含んでいることへの配慮か、謎解きブックの後半はヒントブックになっていた。
あまり苦労せず空欄を埋めていくと、予想通り「ごふくてん」の五文字が浮かびあがった。その五文字をイベントスペース内に置かれた平仮名の押しボタンつきの金庫に入力すると扉が開き、物語の続きを記したページが出てきた。
