なんとなく気がふさいでいる、イライラして落ち着かない、充実した感じがしない。そんな経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。身体心理学の第一人者である山口創先生は「幸福は、考えて手に入れるものではありません。身体を通して、受け取るものです」と語ります。そこで今回は山口先生の著書『幸福感とは身体感覚である: 4つのホルモンを増やして体の中から幸せになる』より一部を抜粋し、体の中から幸せになるヒントをお届けします。
幸福とは流れている状態
幸福について考えてみましょう。理想的な幸福(ウェルビーイング)とは身体が「流れる水の身体」のときに生まれる気持ちです。
しなやかに動き、親しい人とふれあい、身体の境界が世界に開かれているとき、私たちは「ああ、幸せだ」と感じます。固体のように凍りついていては幸福は感じられません。気体のように浮かれているときは、一時的な喜びや満足感は感じられるので、それはそれで意味がある感覚です。
ただ、今回理想とするウェルビーイング(Well-being)というのは、「be動詞」が使われていることからもわかるように、一時的に感じて「雲散霧消」してしまうのではなく、ある程度続く「存在」や「状態」を表しています。そのような意味で、気体としての一時的な幸福よりも、液体の状態で流れ続けることこそが、今回目指す幸福だと言えるのです。
この状態は人間関係にも当てはまります。「流れる水の身体」は動きがあるので互いに混ざり合います。流れがあると、他者の身体と「交流」が起きるため、「溶け合い」「混じり合う」感覚が生まれます。このように人との交流も幸福にとって大事な要素なのです。
そうは言っても、このような発想は科学的に正しいのでしょうか。
実際の研究を見ていきましょう。