ラーメンは単なる食事ではない

もちろん、既存のおなじみの店であっても、限定メニューや季節の新作など、常に新たな味が登場して私たちを飽きさせません。日本には数多くの飲食業態がありますが、こんなに多様な魅力をもつ料理は他にありません。

つまり、どの店を選び、どのメニューを選ぶかという行為そのものが、脳にとっての「軽い意思決定と探索の訓練」になります。醤油、味噌、塩、豚骨、家系、二郎系、鶏白湯、つけ麺など。その日の体調、気分、天候に合わせて、何百という選択肢からそのときに最も食べたいラーメンを選ぶ。これこそが、前頭葉の刺激となり、思考を止めないための最高のトレーニングになるのです。

和田秀樹
(写真提供:KADOKAWA)

もしこれが毎日同じ定食屋で「いつもの」を頼む生活になってしまえば、脳は完全にサボり始め、習慣化の惰性に流されてしまいます。

ラーメンというジャンルは、その裾野の広さゆえに、常に私に新しい発見の機会を与え続けてくれるのです。そう考えると、ラーメンを食べることは単なる食事ではなく、脳に刺激を与え続けるためのライフワークといっても過言ではないのです。