「何を食べるか」真剣に迷う時間が脳を育てる

ラーメン店に入ったとき、あなたはどのようにメニューを決めていますか? もし「いつものでいいや」とか「おすすめでいいや」と、何も考えずに決めてしまっているなら、非常にもったいないことをしています。なぜなら、「選ぶ」「決める」という行為は、前頭葉の重要な仕事だからです。

前頭葉は、司令塔として「情報を集め」「比較検討し」「決断する」役割を担っています。

ラーメン店には、醤油、塩、味噌といったかえし(タレ)の違いに加え、豚骨、鶏ガラ、魚介などのスープの味違い、トッピングの種類、麺の固さ、油の量など、無数の選択肢があります。メニュー表を前にして、「今日はこってりいきたい気分だ」「でも昨日は肉を食べたから、今日は野菜多めにしようか」「いや、この時期限定の新作も気になるぞ」と、自分の体調や気分、過去の記憶と照らし合わせながらシミュレーションを行う。この迷う時間こそが、脳にとって最高の刺激となるのです。

加齢とともに、人間はどうしても変化を嫌い、同じ行動パターンを繰り返そうとします。これは、脳がエネルギーを節約しようとして、無意識のうちにラクな方へと流れてしまう、いわゆる脳の省エネ本能のようなものです。

しかし、ラクをさせればさせるほど、前頭葉は衰えていきます。だからこそ、あえて迷ってください。たかがラーメン、されどラーメン。数百円のトッピング一つに真剣に悩み、自分の意思で「これだ!」と決断する。その小さな決断の積み重ねが、前頭葉の機能を維持し、ボケない脳を作ってくれるのです。

※本稿は、『ラーメンと健康 「炭水化物=悪」ではない』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

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『ラーメンと健康 「炭水化物=悪」ではない』(著:和田秀樹/KADOKAWA)

ラーメンは悪役ではない。 頼れる栄養補完食にできる。

多くの患者のフレイル予防に努めてきた医師による、中高年のための無理をしない食事術。

著者自身も愛食するラーメンを通して、食べ方と健康寿命を見直す一冊。