マタハラでは思いやりとハラスメントの線引きが難しいケースもある

妊娠を理由に業務量を削減したり、配置転換したりするのはマタハラです。

しかし、それが必ずしも、マタハラとは言い切れないケースがあります。

『職場のトラブル即解決!あなたを守る労働法』(著:佐々木亮/徳間書店)

たとえば、立ち仕事をつらそうにこなしている妊娠中の従業員がいたとします。彼女の仕事量を減らしたら、また、他の仕事に配置転換したら、マタハラでしょうか?

顧客訪問など外回りの営業が多い仕事は妊娠中はつらいだろうからと内勤に換えたら、マタハラでしょうか?

それが、妊婦に対する「思いやり」からの行為だったら、ハラスメントとは言い切れないでしょう。

しかし、ハラスメントになってしまう場合もあります。

本人がその仕事にプライドを持ち、どうしても職務を果たしたいと思っていたのに業務命令で仕事を変えれば、思いやりからでも、マタハラに相当するのです。

このようなケースではまず本人とよく話し合う必要があります。

本人が「大丈夫なので今の仕事を続けたい」と言うなら、仕事が続けられる環境や体制を整え、業務にあたらせればいいでしょう。会社には労働者の健康を守り、安全に働ける環境をつくる義務があるからです。