その土地にはその土地ならではの楽しみ方がある
久保 ひゃっくんも旅に行ってたんだよね。九州?
ヒャダ そうです。有田焼を買いに。
久保 佐賀の旅ってめっちゃいいよね。私も幼なじみの車で、私のお母さんや向こうの親も含めて、5人編成のメンバーで遊びに行ったんですよ。波佐見焼(長崎)や有田焼(佐賀)を見に行って、牧のうどんでご飯食べて。話してたら、福岡の人も有田まで器を探しに来るらしくて、「そういう楽しみ方があるんだな」と思ったんですよ。幼なじみに普段どういう遊び方をしてるのか聞いたら、「ナイトプールで遊びたいと思ったら、その日の夜にハウステンボスに行く」とか言ってて。地元の人はだいたい年間パス持ってるから。あと、「ホークスの試合を観たい」と思ったら、車で福岡ドーム(みずほPayPayドーム福岡)まで行くとか。
ヒャダ 行動力!
久保 そう。もう全然レベチというか。「田舎のパリピ、めっちゃ楽しんでるな」って。
能町 青森でも似たようなことがあって、「普通に青森を楽しむ青森人の楽しみ方っていいな」と思うんですよ。楽しめるものに全力で向かってる感じがして。ちょっと年上の女性で仲良くしてる人がいるんです。「今度、東通村の産直市があって、そこで東通牛の美味しいのが買えるから行こう」と誘われて、凍った肉とか、でかいキクラゲとかを大量に買い込んで、帰って食べたりとか。最近、30歳前後くらいの若い友達もできたんですよ。パリピ感のない文系な感じの子なんだけど、「この間、友達の家のガレージでバーベキューやって」みたいなことを話してて、そういうことが普通にあるらしくて。「そういう楽しみ方があるんだな」って思ったんですよね。
ヒャダ うらやましい。
久保 地方の人はまず足(車)があるから、美味いものをダイレクトに買いに行ける。
能町 美味いものがマジで美味い。美味いもののアンテナ張ってる人が、たまたまかもしれないけど周りにたくさんいる。少し前にネットで、転勤か何かで青森に行った人が「周りの人がグルメに興味がなさすぎて、全然文化がない」みたいにディスってる投稿が話題になりましたけど、それは人間関係が貧困だったんじゃないかなあ、と思っちゃいましたね。詳しい人、全然いるのに。
久保 私は実家に帰れば、地元ネットワークがあって、いい思いをさせてもらえるけど、ゼロから知り合いを作って、「ここのお店がいいよ、今度連れてくね」みたいなやつは不可能だなって思う。だから海外で「この街つまんないな」と思っても、それはただ自分がたどり着けてないだけなんだろうなって。
うまくいかない旅行もある
ヒャダ 自分も最近、「詳しい知り合いがいないとこうなる」という経験をしまして。時間があったんで、避暑をしたいと思ったんです。去年行った箱根の仙石原というところがとても涼しかったんで、そこに行くことにして。途中で美味しいもの食べたり、地元野菜をいっぱい買ったりしようと思ってたんですけど、事前に調べて1時間半の行程だったのが、2時間45分くらいかかっちゃって。しかも行ったら行ったらで全然暑いんですよ。美味しいものを食べようにも情報がないし、大きな店は混んでるし、結局適当に入った店で、なんてことないポークステーキを食べて。そこから行く場所のあてもないから、適当に調べたカフェに入って、アプリでゲームして。
一同 (笑)
ヒャダ 周りに道の駅もないから帰ろうと思って、高速乗って。足柄SAに寄ったら、野菜売り場があったんで、地元の野菜は買えたんですけど。そこにお風呂があって、サウナもあるらしいから、入ってみたんです。そしたら木のサウナ室だったんですけど、恨み言みたいなのが爪か何かで刻まれてて。
一同 えええええええええ!?
ヒャダ もう耳なし芳一みたいにびっしりと。天井にまで書いてあるんですよ。判読できないのも多いんですけど、びっしり書いてあるのが怖くて。それからまた渋滞の中、帰りました。何も得ない旅(笑)。
久保 確かに「この旅、ひょっとして噛み合わない?」というときはある。そういうときでも、たまたま見つけたスポットに感動して、それでオセロが全部ひっくり返ることもある。
ヒャダ ありますあります。最近そういうのが多かったんですよ。偶然行ったのに、「景色が綺麗」とか、「いい店に入った」とか。でも今回はもう全部が裏目で。マジで無駄な一日でした。
久保 野菜は買えたんでしょ?
ヒャダ つるむらさきを買いました。茎が太いのを買えたんで、これはここに行かなきゃ買えなかったやつだと思います。
久保 たった1個でいいから、そういう旅の思い出があると幸せじゃない?
ヒャダ にしても、あまりにも取れ高が……。
能町 その土地の情報って、簡単に手に入る情報と、もう一つ深い情報とあるんですよね。「旅行者はだいたいここに行く」ってところと、「地元の人はそこよりもこっちに行く」ってところと。
ヒャダ 能町さんみたいに、青森に住んでたら得やすいですよね。
能町 そうですね。もう完全に地元の人として振る舞っているので。
久保 そういうのを聞くと、「旅先でどうせ誰とも仲良くしないし」と言ってるけど、あともう一歩踏み込んだコミュニケーションをして、現地の人だけが知っている情報にたどり着けるような努力を、本当はやんなきゃいけないなと思う。
能町 でも、それを海外でやるのはハードルが高すぎますよ。
ヒャダ そういうのはギブ・アンド・テイクですからね。こっちがもらってばかりじゃなく、あっちに何か差し出さないといけないじゃないですか。一緒に行動する時間とか、お酒を一緒に飲むとか。
久保 それで言うと、旅系YouTuberの人って、旅先で誰とも交流しないイメージがある。
能町 交流しないですね。私が見てる範囲だと。
久保 びっくりするくらい交流しない。あまりにも交流しなさすぎて、文句がコメント欄に書いてあったりして。そう思うと、ちゃんと下調べしてるテレビ局はすごいよね。必ず下調べして、ロケハンして、詳しいコーディネーターも用意して、なのに旅番組じゃなくて旅系YouTuberばかり見てしまってごめん、という気持ちに……(と言ってスタッフを見る)。
スタッフ まあ仕事ですから(笑)。でも自分で行く旅行も下調べはめっちゃします。スケジュールもある程度は立てますし。
能町 もう職業病だ。
久保 友達と一緒に旅行するときも、下調べを自分が全部しちゃったりとか。
ヒャダ それは助かるじゃないですか。
久保 でもそういうとき、「私、なんか利用されてない?」みたいな気持ちになりません?
スタッフ そんなことないです。友達の種類によりますけど。何もしない子ってだいたいいるじゃないですか。だから2人だとしんどいと思います。旅行に行くときは3人です。私がいろいろやって、その間を取ってやってくれる子と、何もやらない子がいて、うまくバランスが取れるという。
久保 旅先で友達と仲が悪くなる、雰囲気が悪くなるという話は聞きますよね。「私ばっかり調べて案内してるのに、もう一人の子は全然調べようとしてくれない」みたいな。
