友人の厚意を無下にできない

ところがしばらくすると、にんにくの刺激が強すぎたのか、もともと弱かった胃がシクシクと痛むように。3ヵ月ほど前からは、ふとした拍子に便が漏れるようになってきたのだという。話をうかがいながら、それは黒にんにくが体質に合っていないのでは? と心配になったが……。

「そうなんです。東京に住む娘からも、『今すぐ食べるのをやめて! お友達にもいらないって言いなよ!』と怒られました。でも、友人の厚意を無下にしたくない。なので、うっかり漏らしてもいいように、今は下着の上に市販の尿漏れパッドを着けているんです」

パッド必須の生活はお金もかかるし、面倒ではあるが、ちょうど新型コロナウイルス感染症による自粛期間で家にいたため、さほど深刻にとらえていなかったという。しかしステイホーム期間が終わり、通っているスポーツジムと英会話教室が再開したことで、そうも言っていられなくなってきた。

「人のいるところで漏らしたら大変。だから最近は、1日1片だけにしてみました。でも、今度は黒にんにくが全然減らなくて。今も冷蔵庫の中にギューギューに詰まっています。そろそろ来月分が届く頃なのですが、夫にすすめてもいらないと言われるし、友人に断りの電話を入れることもできない。本当に困っています」

友情と体調の板挟みになっている大沢さん。娘からは数日おきに「ちゃんと断った? 体にいい食材で体調不良になるなんておかしいよ。冷静に考えて!」と電話がかかってくるそうで、どうしたものかと頭を抱えている。


ルポ・《やりすぎ》健康オタクたちの「なんだか不調」顛末記
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