浅草・東洋館でのペーソスのライブ(写真提供:末井さん)

バンド活動は、心身共に老化防止になっている

言わずもがなですが、70代というのはぼくのことで、一体いつまで吹けるかが問題になってきました。でも、昔はスタンディングのライブを1時間見ているだけでも辛かったのですが、ペーソスのメンバーになってから、3.3キロのサックスを首からぶら下げて1時間半立っていても大丈夫になりました。バンド活動は、心身共に老化防止になっているのかもしれません。100歳までは無理としても、ペーソスが続く限り80歳ぐらいまではなんとか吹こうと思っています。

「おやじバンド」という言葉が嫌いなのですが、ペーソスも「おやじバンド」と呼ばれることがあります。でも「おやじバンド」って、ぼくから見ると結構若いんですね。島本さんと僕は、おやじと言うよりもうお爺ちゃんですから、「高齢者バンド」と呼んで欲しいと思います。そのほうが過激な感じがしますから。老人の悲哀を歌った曲が多いので(作詞は全て島本慶さん)、「高齢者バンド」と言われても違和感はありません。

定年退職したら趣味を持てなんて言われますが、心から楽しいと思える趣味でないと飽きます。もし楽器演奏を趣味とするのでしたら、1人で練習ばかりしていても、多分続かないと思います。下手でもとにかく人前で演奏することです。場所がなければ路上でもいいじゃないですか。高齢者の路上ライブがあったら、ぼくは見たいと思います。音楽は人に聴いてもらうことで成立するもので、人に聴いてもらうことで楽しくなるものです。
コロナ禍でペーソスもライブを自粛していたのですが、2回目の緊急事態宣言解除の後、今年初めて全員揃うライブがありました。やはりライブは楽しいものですね。

 

※次回配信は4月29日(木)の予定です

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