嫌いだった母との仲直り
IMALU 誰でも後悔はありますよね。人間に対してもあるでしょう。大事な人を亡くした時、ああ言っておけば良かったとか。
青木 私の場合は、1年半前に亡くなった母と仲が悪かったの。仲が悪いというか、私が母を好きじゃなかった。母であるよりも以前に教師、という人だったので。母から褒められたこともなかったし、こうあるべきというのをずっと押し付けられてきたから、そのせいで自分の自己肯定感が低いんだって思ってきた。
でも母がホスピスに入った時、動物保護のNPOの先輩の武司さんという方が「お母さんと仲良くする最後のチャンスだよ」と言ってくれて、何とか他愛のない話をして、仲良くすることができたの。でも、「この報告をする」とかの話はできても他愛のない会話って不仲だと難しい。
IMALU そんな時間を持ててよかったですね。
青木 そうなの。あんなに嫌いだった母を嫌いじゃなくなったことが嬉しかった。亡くなった後、今は不思議と好きになってきたの。IMALUちゃんも、自分の中にある「母みたいなところ」って、あるでしょ?
IMALU ありますね。
青木 私はそれが嫌でしょうがなかったんだけど、母を好きになってきたら、その自分の中の「母に似たところ」を、懐かしくていいものに思えるようになった。生きやすくなったと思っているの。
IMALU 好きかも? って変わったきっかけは何だったんですか?
青木 私が母に何か話す時は、「どうせこう言うとこうやって返ってくるんだろう」と、長年考えてて。たとえばお土産買って行ったら「これは高かったでしょ? こんなのなぜ買ったの」と言われるだろうな、とか。でもそういうのを一旦忘れて「今日は今日だ」と自分に言い聞かせられたところからかな。
IMALU いい話だなぁ
青木 IMALUちゃんはどう? 私は40後半になってから和解したなって。子どももできて、離婚もして。いろんなことがあってやっとここまできた感じだけど、親との葛藤はない?
IMALU なくはないですね。うちは両親とも、親であるよりも芸能人である時間の方が長いというか。どうしても、親より前に教師になってしまうっていう青木さんのご両親と似ているのかなって、聞いていて思いました。
今31歳なので、これから青木さんが経験されたことを経験して行くのかもしれないなと感じましたね。私も親も歳をとって、関係性は変わってくるかなとは思いますけど、どう変わるかは今はわからないです。仲悪いわけじゃないですけど、腹割って話すってことはあまりしていないですね。
青木 腹を割って話すってことは、私も最後まで、できていなかったかな。