(写真提供:青木さん)
青木さやかさんの連載「47歳、おんな、今日のところは『……』として」――。青木さんが、48歳の今だからこそ綴れるエッセイは、母との関係についてふれた「大嫌いだった母が遺した、手紙の中身」、ギャンブル依存の頃を赤裸々に告白した「パチンコがやめられない。借金がかさんだ日々」が話題になりました。今回、初めて「パニック症」を経験した過去を明かします。

心臓がバクバクし始める

おかしいな、フラフラする、息ができない、倒れるかもしれない。

いつ頃からか、そんな日が増えてきた。最初は、体調が悪いのか、生理前だからか、などと思っていたが、ある時、意識がなくなりそうになり、本当に立てなくなって、救急車で運ばれた。

病院に着く頃には
「あれ、歩けます、わたし歩けますね」
と、なっていた。

後日、病院でいろいろと調べてはみた。脳、神経、疑わしいものは先生の判断で検査をしてもらい、多くの病院を転々とした。しかし、突然倒れる原因になるような身体の病気は見当たらなかった。

そのうち、倒れそうになる時の法則がわかってきた。家で気を失いそうになることはほとんどなく、仕事中、移動中、があやしい。観劇している時も、そうなった。

「もし、ここで、倒れたらどうしよう」

その心配が強い時に、心臓がばくばくし始める、ということがわかってきた。

「よーし、わかったぞ」

だからといって治るわけでもなく、どんどんとひどくなってきた。

恐怖だった。