「《大野担》仲間と札幌や名古屋のコンサートにペンライトを持って追いかけたなあ」(村崎さん)/「私はラルク アン シエルのhydeの大ファン」(小林さん)

300歳まで生きる段取りをつけました

小林 この先、お仕事では、どんなことを目指していくのですか?

村崎 今、考えているのはテストステロン(男性ホルモン)。更年期以降の女性の不調を和らげるため、これまでエストロゲン(女性ホルモン)を主力に治療をしてきたけれど、人生100年時代は、それだけに頼るわけにはいかないな、と。

小林 それで、男性ホルモンの研究を?

村崎 もともと女性の体にもテストステロンはあるわけで、それが減少すると気力が失せてしまう人がいる。特に、高齢者にその傾向が強いので、70代以上の女性には男性ホルモンを補充する治療法もアリだろう、と。

100歳時代とはいえ、気力もなく引きこもっているだけの高齢者が増えるのでは新しい社会問題になりかねない。女性にも男性にも、テストステロンをどう活用していけるかが、これからの私の課題です。

小林 私は、自分が培ってきた「美容的な生き方」を、もっと広く知ってもらうための活動を続けていきたいですね。先生のように、医学の力で女性の健康を支えるお仕事もあるけれど、メイクやマッサージといった美容の世界にも女性を元気にできる力があります。

何より、人様の大切なお顔に触れるという行為を通じて、他人に対する尊厳が生まれますし、それが人を愛することにつながっていく。そんな「美容的な生き方」を若い世代にも伝えていくために、75歳のときに青山ビューティ学院高等部という高校もつくったんですよ。

村崎 70代で学校もつくったの? それは大変だったでしょう。

小林 かなり勇気がいりました。でも、おかげさまで年々生徒が増えて、今では教室の数が足りなくなるほど。学園長を務める私も教えねばならないことが山ほどあるので、この先、300歳まで生きる段取りをつけました。

村崎 300歳! これじゃあ、「いまだかつて見たことのない100歳」を目指すスローガンの影が薄くなりますね(笑)。300歳は到底無理だけど、10年後くらいに、またこうして、お互いの近況報告ができたらいいですね。……10年後って95歳よ! やだ、もう! 5年後にしよう!