圧倒的なオーラを放つトップスターの存在、一糸乱れぬダンスや歌唱、壮大なスケールの舞台装置や豪華な衣裳でファンを魅了してやまない宝塚歌劇団。初の公演が大正3年(1914年)、今年で107年の歴史を持ちながら常に進化し続ける「タカラヅカ」には「花・月・雪・星・宙」5つの組が存在します。そのなかで各組の生徒たちをまとめ、引っ張っていく存在が「組長」。史上最年少で月組の組長を務めた越乃リュウさんが、宝塚時代の思い出や学び、日常を綴ります。第3回は「実直な人 珠城りょうさん」です

珠城りょうさんの退団公演

8月15日、月組東京宝塚劇場公演千秋楽
『桜嵐記(おうらんき)』『Dream Chaser』で
珠城りょうさんが宝塚を卒業しました。

在団中には、ともに舞台を作ってきた仲間の1人です。

彼女は、月組の『ME AND MY GIRL』で初舞台を踏みました。

当時組長だった出雲綾さんや、トップ娘役の彩乃かなみさん
北嶋麻実さん、姿樹えり緒さん、流輝一斗さんらの退団公演でもありました。

初舞台生を迎える公演は、通常の公演よりいろいろ大変になります。
いうなれば新入社員ですもの、わからないことだらけですよね。

8月15日、珠城りょうさんが宝塚を卒業した月組公演『桜嵐記(おうらんき)』『Dream Chaser』ポスター(写真提供◎越乃さん)

当時の私も管理職になりたてで、組長の仕事の引き継ぎなど、初めてのことだらけ。
自分にまったく余裕がなかったことを覚えています。