「肩こりも軽減しましたし、眠りも深くなりました。運動が苦手という方にも、本当におすすめです。」

呼吸を意識しつつ体を動かして

――運動の経験は、学生時代の部活動くらいだったそうだが、現在は太極拳にハマっているそう。きっかけは数年前に家族で香港を旅行したことだ。少し前に骨を圧迫骨折していた大塚さんのお母さんは、順調に治って旅行はできたものの、まだ杖が必要だった。ところが、ホテル主催の太極拳教室に参加しただけでスタスタと歩けるようになったのを目の当たりにして、興味を覚えたのだという


自分が太極拳に夢中になるとは思ってもいなくて、あれは運命的な出会いでしたね。香港から戻ると母がすぐに教室を探してきて、私も習い始めました。現在は自宅近くの太極拳教室に母と二人で通っています。週に一度行くのが理想的なのですが、仕事がある時はお休みして、行ける時にだけ。そこはあくまでもフワッと、臨機応変に。

長続きしているのは、先生に恵まれたことと、一緒に習っている方たちが素敵な方ばかりだということが大きいと思います。それから太極拳のゆっくりとした動きが、今の自分の心や体に合っていたのかもしれません。80代の母も続けているくらいですから、太極拳は何歳からでも始めることができます。

とても奥の深い世界なのですが、呼吸を意識しながら体を動かすだけで、全身の「気」の流れが整うのを感じます。スッとする感覚がとても気持ちいい。24の動作で構成される「24式」や、長い剣を使う「32式」と呼ばれる基本の動きを覚えるのがちょっと大変なのですが、覚えてしまえば家でもできます。私は自粛中も体が鈍らないように、自宅のリビングで24式を行っていました。

数年間続けて感じるのは、体幹が鍛えられたことと、下半身の筋肉が強化されたこと。人間は足から弱るといいますが、弱ってから改善するのは大変なので、早い段階で太極拳に出会えたのはラッキーでした。肩こりも軽減しましたし、眠りも深くなりました。運動が苦手という方にも、本当におすすめです。