撮影:藤澤靖子

 

「母に殴られたり打たれたりしたときのショックはいまだに細胞が覚えています。心の奥底に凍結されたまま、何かの拍子にうわーっとフラッシュバックするのです」

「う、ふ、ふ、ふ、」「土曜の夜はパラダイス」など軽やかかつポップな楽曲で人気を博したミュージシャンのEPOさん。しかしその人気の裏では、幼少期から母親の虐待を受け続け、深く刻み込まれていった心の傷に苦しんでいた。母を絶縁するまでの苦しみを、現在発売中の『婦人公論』6月25日号で詳細に語っている。

物心ついた頃から母に怒られ、罵られていたEPOさん。火のついた線香でお仕置きされることもあったという。しかし、心の傷はそれだけではない。「権威に弱く医師や弁護士、学校の先生には目をキラキラさせ」ていた母。ある日、一人の医師の息子から「いただきものをお裾分けするから」と言われ、母の命令でEPOさんは取りに行った。

「そこで私は襲われそうになり、危ういところで逃げ帰ったのです。そんな私を、母は怒りの表情で迎えました。娘の様子からレイプされそうになったことは想像できるはずなのに、『今すぐお詫びに行きなさい』と。このときばかりは断固拒否しましたが、『医者の息子というだけで私を売ろうとした』という思いは、私の心にまた消えない傷を刻みつけたのです」

18歳の時に家を出て一人暮らしを始めたが、母の尋常でない干渉はシンガー・ソングライターとしてデビューしてからも続いていた。

『婦人公論』2019年6月25日号

「母が管理人にお金を渡し、私のことを逐一報告するようにとスパイもどきのことをさせていたのだと知りました。母自身も私の留守中に部屋に入り込み、チェックしていたようです」

そして起こる衝撃の事件。傷ついた心を癒したのはカウンセリングだった。次第に過去を前向きに捉えられるようになったEPOさん。現在は自身もセラピストの資格を取り、同じような悩みを抱えた相談者のカウンセリングを行う日々を送っている。

「それまで長く苦しんできたとしても、新たな一歩を踏み出すことで、いつからでも幸せになれるのです」

EPOさんはそう語った。