家庭内暴力は一種の「家庭内テロ」
子どもは一次感情を処理したいがために、親にその気持ちのつらさを理解してほしいのです。口に出せない、あるいは言っても伝わらないために、「とにかく自分はつらいのだ」と行動で示すことにもなります。
たとえば、家庭内暴力は、一種の家庭内テロとも言え、それによって親子関係は改善するどころか悪循環しか生まれませんが、何か苦しんで困っているという熱量だけは親に伝わるかもしれません。
ただ、それができるのは力の強い男性もしくはそれを表向きに表現できる強さを持ち合わせた性格の人です。
暴力を振るえない多くの女性や気の弱い人の場合は、ひきこもりや食行動の異常である摂食障害、自傷行為など内側への衝動性の亢進(こうしん)や何かしらの依存症という形になって表れることがあります。
たとえば、拒食症には、無意識のハンガーストライキの側面もあり、自分が病気になることで、ようやく親が真剣に自分のほうを向いてくれたという患者もいます。もっとも、そういう意図がなく拒食症になる人もいるので、一方的な決めつけは禁物ですが。