青木さやかさんの好評連載「48歳、おんな、今日のところは『……』として」――。青木さんが、48歳の今だからこそ綴れるエッセイは、母との関係についてふれた「大嫌いだった母が遺した、手紙の中身」、ギャンブル依存の頃を赤裸々に告白した「パチンコがやめられない。借金がかさんだ日々」などが話題になりました。今回は「税理士さんに褒められた人として」です。
「旦那に聞いてみる」
20年来お世話になっている税理士さんがいる。収入の確定申告をしていただいている。わたしのだらしなさをみかねて、たまに注意をしてくれる貴重な方である。
わたしは芸能事務所からお給料をもらっているわけではないので個人事業主だ。
シングルマザーでもあるので、誰かが財布を管理してくれるなんてことはない。
数年前、友人達と食事をしているとき、今度ディズニーランドに行こう、という話になった。
「帰ってから、旦那に聞いてみるね」
と一人の友人が言った。
「なにを?」
「行ってもいいかどうか」
「なるほど」
「あと、行ける日にち、聞いてみる」
その後、「とても良い卓上クリーナーがあるので買おうよ」という話になり、その時も
「旦那に聞いてみる」
と、彼女は言った。
その彼女だけでなく、多くの結婚している女性は、「旦那に聞いてから」と言った。