私と黒柳徹子さんは「孤独な女王様」

黒柳さんは、絶対にプライベートを見せない人だ。彼女の家に遊びに行ったことはないし、彼女が私の家に来たこともない。二人とも忙しいので、食事をしたりお茶をしたりすることもないし、まして旅行に一緒に行くなどありえない。

電話で話をする程度の付き合いではあるが、私は黒柳さんのことが好きなのだ。

黒柳さんと仲良くなったのは、昭和五十一年に『徹子の部屋』が始まってからだ。もともと私がテレビ朝日で『メイコのごめん遊ばせ』というインタビュー番組を十年くらいやっており、同じようなことを黒柳さんにさせようと立ち上げられた企画が『徹子の部屋』だった。

番組が始まる以前は、私のほうが早くから売れた「スター」だった。後で本人から聞いたのだが、劇団員として下積みを重ねていた頃の黒柳さんは、私のことが苦手だったそうだ。

しかし、だんだんと番組などで共演する機会が増えるにつれて、二人の気が合うことが分かった。私はよく変わっていると言われるが、黒柳さんも変わった人。だから、あれこれ説明しなくても、二人の間だけで分かり合うことができる。

私たちは、どちらも「孤独な女王様」だ。友達とつるんで買い物にいったり、ぺちゃくちゃと長話などしないのだ。