開演前に、毎日台本を読み直す

楽屋のトイレで自問自答するのもそうですが、開演前のウォーミングアップとして、毎日必ず1ページ目から台本を読み直すことにしています。セリフはすでに入っていますが、舞台は生ものですからね。その日に何が起きるかわからない。自分のセリフが飛んでしまったり、相手役に何かアクシデントが起こる場合もある。

万が一、そんな予期せぬことが起こっても、開演前に「脳内劇場」でひと公演終わらせておけば、心の準備ができているでしょう。開演前のシーンとしたステージが好きなので、「これからここにお客様が入って来るんだな」と想像しながら、冷たいステージの端っこで、開場時間ギリギリまで台本を読んでいることもありますね。

23歳で芸能界デビューしてから最初の2年間はテレビドラマにも出ていました。でも、2011年にミュージカル『ロミオ&ジュリエット』にティボルト役で出演してからは、ミュージカル俳優として多くの舞台を経験しました。

最初はすごく怖かったし、この仕事を続けていくという意識もなかったんですけど、1作1作ごとにさまざまな出会いがあって、役者として自分が少しずつ熱くなれているような気がするんです。

『ストーリー・オブ・マイ・ライフ』のトーマス役を演じる平方さん