終演後10分以内に劇場を出る

舞台の魅力はなんといっても緊張感。

どんなに慣れているお芝居でも、何千人ものお客様の前で演じずるのは毎回やっぱり緊張します。毎日同じセリフを言っているはずなのに、毎日違う感情が生まれるのも新鮮です。時には自分の力量不足でお客様の前で失敗してしまったりすることもある。でも、その緊張感に、僕はすっかりやみつきになっているのだと思います。

「ミュージカル界のプリンス」と呼ばれる山崎育三郎さんや、同じ役をWキャストで演じることも多かった古川雄大くんたちは、ここ数年テレビドラマの世界でも活躍している。

でも、だからと言って、「自分もテレビに出なきゃ」と焦る気持ちはありません。もっと若い頃だったら、きっとライバル心メラメラだったんでしょうけど、その頃に燃やしすぎちゃったのかなぁ(笑)。「僕は舞台で頑張ろう」というのが素直な気持ちです。

コロナ禍になる前は、少しでも休みが取れると宿も決めずに旅行に出かけていましたが、今はちょっと難しいですよね。

ひとたび公演が始まれば、毎日「舞台、食事、お風呂、寝る」だけの繰り返し。終演後に家に帰ってから翌日の昼公演までの時間でいかに疲れを取るかが勝負なので、僕は劇場を出るのがとても早いんです。幕が下りて袖にはけた瞬間に衣装を脱ぎ、楽屋に飛び込むやいなやカツラをベリッとはがして、終演後10分以内に劇場を出ちゃう。で、家に帰ったらソファーから動かない。(笑)