「うたかたの恋」は再演で二度出演しました。
二度目の皇太子ルドルフは真琴つばささん
マリーベッツェラは檀れいさんでした。
この作品の歌にある
「♪信じられないくらい とても幸せ ♪憧れのあの方に愛されるなんて〜♪」
という可愛らしいマリーの歌を
男役でも誰でもみんな裏で歌っていました。
もちろん私も。
なりたいのです。
みんなマリーベッツェラに。
柴田先生の作品で、
大好きで思い出に残っている台詞があります。
「アルジェの男」で演じたボランジェ総督の台詞です。
孤児として育ち、悪事に手を染めながら
大いなる野望を抱いて成功の道を駆け上がろうとする主人公の青年ジュリアンに
ボランジェ総督が男の生き方を語って聞かせるという場面がありました。
そののち、ジュリアンは自分の人生をボランジェ総監にゆだねる決心をします。
「やるんだジュリアン!」
ストレートに口にするその台詞が
個人的にとても好きで大切にしていた台詞です。
その一言から大きさや優しさが感じられ、こういう人間になりたいと思った役でした。
「お前にはあれの良さはわからんよ」という台詞もたまらん台詞でした。
奥さんのことを「あれ」と呼んでも
そこに愛しか感じられない言葉の美しさ。
観たことがない方には何のことやらさっぱり伝わらないと思いますが
気にせず続けます。ついてきてください。