2022年の春夏コレクションは自宅や別荘にあるガーデンからインスピレーションをえてデザインしたという

シニアだってミニスカートを穿いていい

この年齢になっても新作を発表し続けていると、「体力の衰えを感じないんですか?」と聞かれることがあります。あまり意識はしていませんが、確かに衰えているのかも(笑)。といって、とくに運動という運動はしていません。

毎朝ベランダに出て花に声をかけ、ストレッチを20分。15年来、会社に行くときは自宅マンションの6階から階段を使い、数年前に脊椎管狭窄症になってからは、ももの筋肉を鍛えるためエアロバイクを20分間漕ぐのを日課にしています。

「新しいアイディアはどこから湧いてくるんですか?」と聞かれることもよくあります。その答えは、自分が好きなものや美しいと感じるものを常に身の回りに置いておくこと。「何でも帳」と名付けたノートに、お気に入りのお店のショップカードや「素敵!」と感じたカフェの外観の写真など、気になったものは何でも貼り付けてファイルしています。新しいデザインを考えるときに、この手帳がヒントを与えてくれるんです。

昔から大好きなヒョウ柄のインテリアグッズや、壊れていても大切にしているトランクなども目が届くところに置いてあります。何年か前から「無駄なものはすべて捨てましょう」という考え方が主流のようですが、どうなのかしら? 私は、今必要なくても、自分が好きなものや美しいと感じるものは絶対に手放しません。

直感で「好き」と思ったものには必ず何か理由があるわけですから、一度手に入れたものはずっと大事にしていきたい。ふとしたときに、それがまた自分のインスピレーションを刺激してくれる糧になると思うので。

ファッションも、自分の好きなものを着ることが大切だと思っています。洋服には年齢がありませんから、どんなデザインのものを何歳の方がお召しになってもかまわない。シニアの方でもミニスカートがお好きなら堂々と穿けばよろしいじゃないですか。

私も年齢で区切ってデザインはしていませんし、いくつになっても自分が着たい服を着ています。昔よりウエストが太くなったなんて、細かいことはいちいち気にしなくていい。それよりも自分の好きな服を着て、「あら、いいじゃない」って心がウキウキすれば、歩く姿も自然と若々しく見えるはずです。