レッスンをどのくらい受けるかも自分で決めればいい

子供の頃は、ピアノのレッスンには毎週通っていた。全然練習していなかったから怒られることは目に見えていて、毎回ドナドナの子牛のごとくうなだれて出かけた。何かの罰のようであった。

それを毎週毎週飽きもせず判で押したように繰り返すのはなかなかの苦行である。ならば練習すればいいのに、しない。意味なく頑固。時間を無駄にしたもんである。というか先生の時間も無駄にしてしまった。今にして思えば申し訳ないことこの上ない。

それはさておき、レッスンは週1回というのは、ピアノを習っている友達もたいがいそうだったから、当時はそれが常識だったのだと思う。

なので今も、ピアノを習うとしたらレッスンは毎週受けねばならないと思っている人が多いのではないだろうか。そして、それが過去の暗い思い出と重なって、ピアノを始めることをためらう理由のひとつになっているのではないだろうか。

でも、そんな決まりはないのである。

レッスンはそれぞれの暮らしのリズムや事情に応じて受ければ良い。多くとも少なくとも自分次第、好きなように決めれば良いですと我が米津先生もおっしゃっております。

レッスンはそれぞれの暮らしのリズムや事情に応じて受ければ良い!(写真提供:写真AC)

で、確かにやってみればその通りなのであった。私の場合、レッスンは月に一度。はっきり言ってこれで十分だ。

何しろこの歳になればいくら真面目に練習したところで、前のレッスンから「努力の跡はみられる」ところまで持って行こうと思えば、最低1ヶ月はかかる。っつーか1ヶ月だってギリギリじゃ。

1週間ぽっちじゃピクリとも成長することはできないのだよ残念ながら。それに現実問題として、子供時代と違って先生の前で弾くだけでえらく緊張するようになってしまった。あんなにひどいピアノを堂々と先生の前で弾いていた子供時代の自分を尊敬する。今やレッスンの数日前から緊張して仕事が手につかない。そんなこと毎週やってたらとても身がもたぬ。

もちろん、それは私の場合のことであって、もっとサクサク弾ける人はどんどんレッスンを受けたらいいと思うし、逆にゆったりまったりやりたければ2ヶ月に一度とかもアリなんじゃないだろうか。

で、こんな小さなことでも「自分で決めればいいんだ」と思うだけで、やらされてた時の不承不承感は綺麗さっぱり消え去って、ドナドナどころかいそいそワクワクとレッスンに向かうことができる。

自分で決める。案外大きなことであります。