「カバー曲をきっかけに、私の演歌も聴いてくださるようになって……それは本当に嬉しいことです。」(撮影:宅間國博)
演歌はもとより、ポップス、洋楽、往年のヒット曲のカバーなど幅広いジャンルを歌いこなし、その圧倒的な歌唱力から《歌怪獣》とも称される島津亜矢さん。デビューして36年、歌ひとすじの人生の軌跡は――。2022年3月16日には新曲『花として 人として』を発売、初のオンラインサイン会も開催する。今年から月刊化し大好評発売中の『婦人公論』4月号より特別に記事を公開します。(構成=福永妙子 撮影=宅間國博)

歌手になるため14歳で上京して

《歌怪獣》というのは、2度目の『NHK紅白歌合戦』出場(2015年)で、「帰らんちゃよか」を歌ったとき、芸人のマキタスポーツさんがとても称賛してくださって、ラジオで「これは怪獣だ、歌怪獣だ」と。嬉しかったです。それ以降、「あ、歌怪獣の人だ」と言われるようになりました。(笑)

 

5度目の出場となった『紅白』で中島みゆきの「時代」を歌った直後は、所属事務所のホームページにアクセスが殺到する事態に。翌年の「糸」も、大きな話題となった。

――若いファンの方たちが増えました。もともとコンサートでは、演歌以外の歌もレパートリーに入れていたのですが、最近は各局の番組で、いろいろなジャンルの曲を歌う機会をいただきまして。そういった番組には、演歌以外のジャンルの若いアーティストもたくさん出ていらして、そのファンの方たちが私の歌を聴いて、興味をもってくださったようです。『紅白』もそうですね。

コンサートに来てくださるお客さまの層も広がりました。「おばあちゃんを誘ってきました」「親子三代で」といった方々も増えて。カバー曲をきっかけに、私の演歌も聴いてくださるようになって……それは本当に嬉しいことです。