「掲示板のコメントを目にするのは、かなりつらかったですね。人の怒りや不安や悲しみといった感情をダイレクトに浴びてしまって…」(撮影◎長屋和茂)

コロナの気持ちまで考えて…

だからこそ、あの2020年のコロナの出始めの頃は、僕自身もけっこう、イライラしてしまっていた。(笑)

掲示板には、家族が亡くなったのに火葬場にいけなかった、結婚式が延期になった、子どもの行事がなくなったという体験も多く寄せられました。

そういったコメントを目にするのも、かなりつらかったですね。人の怒りや不安や悲しみといった感情をダイレクトに浴びてしまって…。

でも、ラジオをやっている以上、コメント欄は毎日見なくてはいけない。
そんな中で、なんとか気持ちを保てたのは小説を書くという目的があったからかもしれません。

毎日のニュースも「どこかにネタが落ちていないかな」という視点で見たり、ラジオに寄せられる皆さんの体験や意見も、「こういう考え方の人がいるのか、ネタにならないかな」と考えたり。

いろいろな人の立場になってコロナというものを考えてみて、最終的にはコロナ側の気持ちも考え始めました(笑)。

僕らが「ウィズコロナ」の生活を考えるようになったみたいに、コロナも「ワクチンって敵じゃない、ウィズワクチンでやっていこうぜ!」って言っているかもしれないとか(笑)。

多分、僕は日本でトップクラスに俯瞰でコロナを見ていたんじゃないかな。