内臓まで傷ついた猫を抱き上げられる人
自分の演じる主人公「優斗」は、そんな猫好きの自分が、尊敬しているとんでもなく猫が好きな知人のキャラクターを参考にしました。自分よりいくつか年上で、人間より猫が好きという方なので会社勤めはしていなくて、そのかわり投資で家賃を賄ってるようなキレ者です。でも彼の猫への愛は本物で、車に轢かれた猫を見かけて、内臓に達する損傷がある状態だったのにも関わらず、そのまま素手で抱き上げて病院に運ぶことができる。自分も猫好きではありますが、通りすがりでなかなかそこまでできないですよね。
でも一方で彼は、極度の世間知らずで…例えば焼肉屋で出る肉は全て「カルビ」だと思っていたり。「優斗」に少し似てませんか?(笑)
劇中で優斗は「ボクシングって、あの殴り合うスポーツですよね?」って言うんですよ。ボクシングのことをそんな風に言う人は世間知らずも甚だしいし、多分相当変わっていますよね。普通の人が作品の途中でこんなこと言っても違和感になるので、矛盾しない人ってどんなキャラクターなんだろうというイメージをして、最初から役作りをしました。
自分の弟はすぐに見つかります
劇場版に持ち越されたエピソードですが「優斗」は生き別れの実の弟を探しています。自分にも弟がいるのですが、多分すぐに見つかってしまいます(笑)。弟は別の仕事をしているのですが「俳優もしているの?」と聞かれることがあるくらい似ている。顔は自分が母似、弟は父似と言われていますが喋り方、声、体型がそっくり。一方「優斗」の弟探しは一筋縄ではいかないので、映画でお楽しみください。
「ねこ物件」の撮影現場では綾部監督がとにかく優しいムードメーカーだったので、現場はとてもやりやすかったですね。自分も人見知りですが、出演俳優もみんな人見知りで。最初はお互いモジモジしていたんです。でも自分も座長的立場だったので、自分から猫のことで話しかけたりするうちに、みんなが仲良くなっていきました。最後は盛り上がりすぎて、「ちょっとそこ、静かにしなさい!」と言わなければいけなかったほどです(笑)。その打ち解けた雰囲気が映画では溢れ出てると思います。