和田と仁田に「時政追討」を命じた頼家の真意とは

病から回復した源頼家は、「時政の首を取ってこい」と横田栄司さん演じる和田義盛と仁田忠常に命じましたよね。

『吾妻鏡』にもそう書いてあるのですが、ぼくにはこれがよく分からない。

というのは、義盛は智恵が足りない系の荒武者なのですが、同時に広い領地を治めている。上総広常が滅ぼされたときに、広常領の中でおいしいところをもらったのが義盛。彼の領地は相模・上総にまたがって広大です。文句なく「武将」クラス。一方の忠常は「勇士」。格が違う。

洞窟で恐ろしいものを見た忠常。探検中には数名の家来を失い、命からがら、翌日になってようやく洞窟を脱したとされる(『新形三十六怪撰 仁田忠常洞中に奇異を見る図』芳年/佐々木豊吉』。国立国会図書館デジタルコレクション

この二人に時政追討を命じた頼家の真意はどういうものだったのか。

たまたまそこにいた二人に命じた、というのもありそうですが(ドラマでは義盛の「どうしてオレと仁田だけ呼ばれたんだ?」という質問に対し、山本耕史さん演じる三浦義村から「バカだから」と言われかけていましたが)、さすがに頼家も人を見るでしょう。