裕福な家庭で起こる教育虐待
都内の自治体が運営するシェルターに若い女性が収容されてきた。彼女に対し、どういう支援がふさわしいのかを福祉関係者で相談する。その会議に参加している、ある弁護士の証言を紹介する。
若い未婚の世代で収容されてくるのは家族から虐待されたケースが多く、この女性もそうだった。家に帰すのは無理。本人も家に戻りたくないと希望している。そこでなんとか家に戻さない方法を考えたという。生活保護を利用して、住まいを探し、なんとか自立できるように案を練る。
「行政からは、親と交渉してくれと頼まれました。行政が直接電話して、”お宅の娘さんが東京都〇×区に今いるのですが”と切り出すと居場所がわかってしまいます。そこで弁護士のところに、仲介の依頼がくるのです」
弁護士は「私は行政機関から依頼を受けた弁護士です。娘さんは行政機関の支援を受けて安全安心なところにいます。ご安心ください」と伝えて、今後のことを話し出した。
彼女は親のすすめである大学に入ったけれど、自分とは合わないので退学したいと言う。
「入学に際して借りている奨学金を中止する手続きをしたいのだけれど、どうしても親が書類をくれない。それがないと手続きができない、そういう交渉をしてくれませんか」とある弁護士に依頼したそうだ。
彼女は大学を辞めて、まずはアルバイトで生活していきたいという。