メインのおかずにもぴったり

水切りした豆腐を崩しながら炒めて味付けをする「雷豆腐」。豆腐を炒めるときにバリバリと音が鳴ることから「雷豆腐」と呼ばれるそうです。今回は、豆腐の代わりに厚揚げを使ってアレンジしました。冷蔵庫にあった厚揚げは、表面はしっとり柔らか、中はもっちり食感の絹生揚げ。炒めても、もっちり食感が残ります。豆腐より食べ応えもあるから、メインのおかずにもぴったり。豆腐と違って水切り不要なのも、忙しない日には嬉しいものです。

もうひとつ、本日のお助け食材となったのが、ちりめんじゃこ。冷凍してもパラパラなので少量使いにぴったり。あえ物、炒飯、かき揚げ、卵焼きなどに手軽にチョイ足しして旨味と食べ応えをプラスしてくれる優れもの。わが家では、かなりの確率で冷凍室にストックしています。

さて、雷豆腐はたまに作りますが、厚揚げバージョンは初めてです。最初にひとくち食べた夫は、「はんぺん? 美味しいね」とすぐに反応。「絹生揚げっていう厚揚げだよ」と言うと、「うっそ~!」と驚いていました。ふるふるもちもち、絹生揚げマジックです。

私はごはんにのっけて丼スタイルでいただきます。厚揚げを手でちぎったので、ゴツゴツとした表面に具がよく絡んでいます。たっぷり使ったじゃこの旨味と塩気、ネギの香りが清々しく、ポン酢のサッパリ感も心地いい! ごはんにもお酒にも合う、嬉しいおかずが誕生しました。

「必要は発明の母」なんて言いますが、料理も同じかもしれません。ちょっと不便で切羽詰まっているくらいのほうが、何かが生まれるのかも……!

さすがに豆腐とじゃこだけは物足りないので、冷凍室に小分け保存していた豚小間とカボチャで豚汁を作りました。ショウガを利かせているので温まります。こんな手軽なあと1品が大事ですよね。
「雷厚揚げ」
ミニマム度:★★★
調理時間:10分
調理道具:フライパン
洗い物:フライパン、食器
生ゴミ:万能ネギの根

前回『急な冷え込みに温め効果で体ポカポカ!「焼きカブと鶏肉のガーリック酒蒸し」癒やしのパワーがじんわりと』はこちら


ごはんに化ける ズルイおつまみ
(著:藤岡操/EDITORS) 2022年10月26日発売!

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