日本サッカーが深刻な問題を抱えている

私がＪＦＡの技術委員長になった２００２年の時点では、日本のサッカー界の雰囲気はとても明るかった。中田英寿、宮本恒靖、小野伸二、稲本潤一、川口能活、中村俊輔など……

多くの人気選手も生まれて世間からの注目度も上がっていました。

日本のサッカーは今後順調に強くなり世界ランキングもグングン上昇していくはず。そんな楽観的な見方が一般的でした。

しかし、私の見方はそうではありませんでした。むしろ大きな危機感を抱いていたのです。

『批判覚悟のリーダーシップ-日本サッカー協会会長秘録』（著：田嶋幸三／中央公論新社）
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アンダー世代の監督として若手を率いて世界中を遠征し、各国のサッカー事情を肌で感じていたからです。選手育成のカリキュラムやそのための施設を見ていく中で気付かされたことがありました。

「日本サッカーが深刻な問題を抱えている」ということに。