私たちは「元気な高齢者のリーダー」

20歳になったころ、先輩から「おまえの取り柄はなんだ?」と聞かれ、「若さです」と答えたことがあったんです。すると「馬鹿野郎、そんなもの、今しかねえ取り柄じゃねえか」と𠮟られました。

若さが目減りしていくのと引き替えに、少しずつ知恵や経験が増えてきます。
年を重ねるにつれ、人生とはこういうものかという理解も深まり、生きるのがもっと楽しくなりました。
まさに〈ローマは一日にしてならず。老婆も一日にしてならず〉です。

2021年に出演したテレビドラマ『その女、ジルバ』は、年齢を重ねた女性の魅力に光をあてる作品のひとつでした。

「もう40歳」と悲観していた主人公が、スナックで働き始め、生き生きと美しく、エネルギッシュに暮らしている50代、60代、70代、80代の女性たちと出会い、「まだ40歳」と意識が変わっていくというストーリーで、私の役は元ホステスの売れっ子作家。

着物にヒールの高いサンダルと、大きなイヤリングを合わせて登場することにしました。

着物の作法に厳しい人なら腰を抜かすようなスタイルですが、女は若さを失ったら価値がないという思い込みをぶっ壊すドラマの世界観に、その着物の着方がぴったり合っていると思ったからです。

「ミエのこころえ」