タカラジェンヌは気配りの天才
そして迎えた千秋楽。
朝起きた時から、今日という日は二度と来ない、
二度とこの劇場に立つ事はないんだという思いと、
今まで当たり前のように過ごしてきた日々は今日で終わる。
悔いのないように全力で舞台を務め、それをお客様にお届けしたい!届け!
そんな思いで劇場に向かいました。
舞台裏でも、みんなが「りゅーさんりゅーさん」と寄ってきてくれたり、一緒に写真を撮ったり。スタッフさん達も「がんばりーや」と声をかけてくれます。
退団した同期も応援に来てくれて、お花が萎れないように手入れをしてくれたり、
化粧前の片付けを手伝ってくれたり、退団者が自分の事だけに集中できるように助けてくれます。
先に退団しているからこそ、「ここをやってくれると助かる」というポイントがわかっていて、タカラジェンヌは気配りの天才です。
退団者だからと、ショーではたくさんの見せ場をいただき、
申し訳ないくらい、これでもかという程いい場所で踊りました。
やっぱり踊る事が好きだなーと思いながら、
舞台上で気持ちよく楽しく踊らせてもらいました。
ショーの中で、トップの龍真咲さんから薔薇を渡されるという
退団者への餞のダンス場面がありました。
いつもは造花のその薔薇が、千秋楽の日には生花になっていて、
舞台上でもらった瞬間に生花だ!と気付いたときの驚きと嬉しさと。
「やりよったな」
「にやり」
的なアイコンタクトを瞬間にかわし、仲間っていいなとじーんときたり。