年齢なりの病気やトラブルに見舞われることもあるが、それを苦にしない。80歳過ぎで脛骨を骨折。93歳の時は帯状疱疹で1ヵ月ほど不調に。振り込め詐欺にあったこともある。しかし、「詐欺にあっても、骨折しても、命に別状はない。生かされていることを感謝し、ひとつの学びと受け止めるよう心がけています」。

幸福感は心の持ち方しだい、と気持ちの転換に努めている。不惑を目前に子育てで悩んでいた頃、ある教えに出会い、実践してきた「後天的なプラス思考」だ。体験を伝えるために残りの人生を使いたいという使命感から、講演や取材の依頼があれば出かけていく。

ウクライナでの戦争については、「一人ひとりが心の中で世界平和を祈ることで、世の中は変わる」と信じている。世界平和は渋沢栄一の生涯の願いでもあった。

「祈ることは、年を重ねてたとえ寝込んでいてもできること」

100歳の誕生日に新しい本を上梓。「肉体は器。お借りしているこの体が動く限りは、講演も執筆も続けてまいりたいと思っております」と、澄んだ瞳で語った。