はしごのあとに行ってみて欲しい『ビストロ穏屋』

と言うわけで、私がお気に入りの「ミートソース(ボロネーゼ)」を一軒ご紹介。

用賀にある創作イタリアン『ビストロ穏屋』さんの絶品ボロネーゼ。ここは、飲んだ帰りに、〆のラーメンならぬ〆のボロネーゼを食べに行くお店。

〆には重たかろうとお思いなさるな。こちらのボロネーゼは、しっかりとコクがありながら後味さっぱりの不思議パスタ。味のメインであるデミグラスソースに酸味のある何かが使われているのか、フルーティとすら思える清涼感。

ビストロ陰屋の「ボロネーゼパスタ」。3日間かけて作ったお店自慢のデミグラスソースが味の決め手(写真:『ヒツジメシ』より)

けれど、しっかりと煮込まれているため味わい深く、その上、使われる挽き肉が粗挽きのため、噛むたびに肉の旨みが味わえ、満足度は抜群。コクとさっぱりを交互に楽しむうちに、ひと口またひと口と気付けば完食しているという、やはり魔法のような一品だ。

騙されたと思ってぜひ一度、数軒のはしごのあとに行ってみて欲しい(笑)。

※本稿は、『ヒツジメシ』(講談社)の一部を再編集したものです。


ヒツジメシ』(著:吉田羊/講談社)

2022年で俳優デビュー25周年を迎えた吉田 羊さんの初単行本! 2015年から『おとなの週末』で連載を続けた「ヒツジメシ」がついに1冊になりました。日々の食体験を通して、下積み時代から現在までを振り返ります。懐かしい思い出のお店、また、ふるさとや母の味、そして今気になる街や味をめぐりながら、仕事のこと、大好きな人や街のことなどを綴ります。吉田 羊さんの食の思い出を追体験しながら、ある時はほっこりしたり、ある時は「あるある」とうなずいたり……。また、女子が気になる美と健康などについても触れます。単なる美味の食レポにとどまらず、食体験を通して吉田 羊さんの姿が垣間見え、読み物としても楽しく、グルメガイドとしても役立つ1冊です。