ノボとの出会い

ところが見ていてあまりに家人とアイスの仲が良いので私は心配になり、もう一匹飼うように提案した。

最初、海外にいた私のもとにアイスを飼いたいと申し出があった時も、私ははっきりと言った。

「君が生きている間に犬との別れが来るぞ。その時に耐えられるのか」

家人は決心したように、大丈夫ですと答えた。それでも一匹の犬にかまい過ぎるので、もう一匹を飼うように命じた。

最後まで売れ残っている犬が一匹いると言われた。

「それがいい。そいつを連れて来なさい」

それがノボで、今や東北一のバカ犬である。

最後まで売れ残っていたノボ(提供:講談社)

この犬がある時から異様に私になつきはじめた。何のことはない家人に内緒で何度か餌をやったためだ。

仙台に帰ると私のそばを離れようとしない。元気過ぎて、ヘルニアになり、病院へ通い、痛みが出るとへたりこんだ。

その様子を見ていると痛々しい。痛くとも私の姿を見るとしっ尾を振り嬉しさを伝えようとする。