ヒントはやはり『冬のソナタ』

ヒット作品はどうすれば作り出せるのか。とくに、日本の市場で成功するためにはなにが必要なのだろうか。

その答えは、人気韓流スターが出演し有名監督と人気作家が手がけた作品だと言えるかもしれないが、それだけでは必ずしも成功しないことが、エンタメ産業が一筋縄でいかない部分だ。

『韓国コンテンツのグローバル戦略』(著:黄仙惠/星海社)

韓国のドラマ制作会社にとって一歩目の前進となったのは、「ジャンル」を意識することだった。ヒントになったのは、やはり『冬のソナタ』だ。

日本では2003年NHK BS2での初回・再放送を経て、一年後の2004年からNHK総合にて放映された。NHK総合での最終話は20%を超える高視聴率に達する。

NHKは『冬のソナタ』の後続作品として韓国ドラマ『美しき日々』と『オールイン 運命の愛』を放映し、初恋という純愛を切なく描いた「メロドラマ」の編成を続けた。

それらのメロドラマは一定の好評を得たが、一方でもう飽きたというファンの声も届き始めた。