旨味とショウガ香りが合わさった蒸し汁が絶品

ところで、鶏肉をレンチンして爆発させたこと、ありませんか? 

私はあります。なぜ爆発するのかを調べたら、鶏肉の表面には薄い皮があるから、そのまま加熱すると、中の空気が膨張して破裂するのだとか。レンチンで卵が爆発するのと同じ理由ですね。

爆発するとレンジの中が大変なことになるので、必ずフォークで刺して薄皮に穴を開けてください。

さて、余熱でじんわり火を通した鶏肉をさわってみると、すでにふんわり。カットすると肉からジワッと蒸し汁が出てきました。フォークでしっかり穴を開けた効果です。

オイルなしでもしっとりふっくら。おまけに、ムネ肉と塩昆布の旨味、ショウガのスッキリとした香りが合わさった蒸し汁が絶品! そのまま肉を浸しておくと旨味しみしみ、しっとり感がキープされるので、作りおきにもぴったりです。

そのままメインのおかずにするのはもちろん、アレンジも自在。あえ物やサラダ、麺類のトッピングにも使ええます。

特にこれからの季節、こういうレシピは、レパートリーにあると本当に助かりますね。

 

〈薬味たっぷり蒸し鶏〉

大葉やミョウガを加えるとさっぱり! 多めに作って冷やしておけば、これからの暑い時期にぴったり。冷たい麺のトッピングにもおすすめです。

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ごはんに化ける ズルイおつまみ
(著:藤岡操/EDITORS) 2022年10月26日発売!

コロナ禍のいま、自宅で楽しむおつまみの本が人気です。
私は飲むけれどパートナーは飲まないというケースや、お酒を嗜む夫婦のほかに子どもがいるケースも少なくはありません。
そこで、ワインのおつまみだけど、ちょっとしたアレンジで晩御飯のおかずにもなる! 1品つくれば家族みんなで楽しめるそんなレシピを集めました。
難しいことも面倒なこともなし。身近な食材と調味料の組み合わせだけで、楽しみはうんと広がります。どこで売っているのか分からないおしゃれ過ぎる食材も使用していません。食材も、料理の工程も少ないものばかりです。
揚げ物を食べたいけれど衣の準備が面倒……ならば、春巻きの皮を使ってパリッと焼こう!
冷蔵庫に肉も魚もない……ならば、ゆで卵と粉チーズでご馳走にしちゃおう!
和風の煮物とワインを合わせたい……ならばオリーブオイルと黒コショウをかけるだけで相性抜群に!
そんな気楽な発想で、ワインと一緒の晩ごはんを自由にのびのび楽しみませんか?
版型はコロンとした正方形に近い可愛いかたち。簡単な工程なので、本と睨めっこする必要はありません。いつまでも手元に置いておきたい、パラパラ眺めるだけで楽しくなれるそんなレシピ本です。