五木さんと和さん、結婚式のお写真。スター同士の結婚で、当時はテレビ中継も入ったという(写真提供:五木プロモーション)

「長男誕生」で戻ってきてくれたファン

1月公演が終了したころ、二人の気持ちはすでに固まっていたこともあり、3月にはマスコミ発表をしたんです。そしたら、僕のファンの人たちから「裏切者!」と責められました。私たちに一番に発表するって約束してたのに!と…。50歳まで結婚しないと公言してたのに、10年前倒し!(笑)

直後の大阪公演では、舞台に出たら客席がしーんとしてるんです。みんなの怒りが伝わってきて、寒い感じがあふれていました。いやあ、厳しいですよね。おめでとうなんて誰も言ってくれない。その次の公演から、売り上げもがくっと減りましたしね。

でも、長男が誕生したことで、ファンのみなさんがまた戻ってきてくれました。僕がお父さんになったことで、また応援してくれるようになった。子どもの力って大きいですね。そして、心から応援してくれるファンの温かさを改めて感じました。それが今も続いている。ありがたいことです。

昭和のスターって、家庭はあまり円満じゃないというイメージがありますよね。
昔は「スターは普通の幸せは持てない。光が強いほど影も強くなる」なんて言われていたし…。でも、僕は結婚するからにはどっちもやってやろうと思っていました。
両親が反面教師になっていましたね。家族を大切に、子どもを円満な家庭で育てたいという気持ちが強かった。幸い、妻は自分の意志で女優の仕事をすっぱりやめて家庭に入ってくれたのでありがたかったです。

仕事にも悔いを残さないけれど、家庭にも悔いは残したくない。だから家庭の中では妻が一番えらくて、次は子どもで、次に犬がいて、僕は最後でいいんです(笑) 。そのほうがうまくいくと思っています。