出所しても美容院への就職は難しい

ところで現実の話をしますと、いざ出所しても美容院への就職は難しいようです。

その理由のひとつは、採用をためらう美容院が多いこと。もうひとつは彼女らの年齢が一般の新人美容師と比べて高いということです。

刑務所在籍中に2年間の研修を受けるわけですから、短期間で出所したり、仮釈放される人には訓練を受講させられないので、結果、中長期の収容者が学ぶことになるわけです。

せっかく培った技術ですから、活かしてもらうことを祈るばかりです。

それは「美容師」に限りません。

その他にも男女ともに刑務所では様々な資格を取ったり経験も積んでいます。

それを「社会を生き抜く力」に活かしてほしいものです。

※本稿は、『それでは釈放前教育を始めます! 10年100回通い詰めた全国刑務所ワチャワチャ訪問記』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。


それでは釈放前教育を始めます! 10年100回通い詰めた全国刑務所ワチャワチャ訪問記 』(著:竹中功/KADOKAWA)

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全国の刑務所で続けている釈放前教育の実体験をもとに書き下ろした、涙と汗の刑務所訪問記。