長年の疑問

本ドラマの時代考証を担当される柴裕之さんは、この事件を見直し、新たな解釈にいたりました。

柴先生の論文にも記されていましたが、大賀ではなく大岡だろう、彼の造反とは武田勢力と結んだことだろう、といったものです。

ノコギリ引きの刑に処された罪人<藤田新太郎 編『徳川幕府刑事図譜』,神戸直吉,明26.9. 国立国会図書館デジタルコレクション  (参照 2023-05-29)>

柴先生の慧眼に感服する一方、あくまでこの柴説は「そういう理解もできるかも」というレベルに留まるものだと思います。

なぜか。それはもっぱら、残っている史料の質と量のせいです。賛成する人もいるかもしれないけれど、納得できない人もいるだろう、という感じでしょうか。

ぼく個人は、といえば、柴説にとても魅力を感じています。受け入れることで、長年抱えてきた「大いなるナゾ」が解消されるからです。

長年の疑問。それは長篠の戦いにおける武田勢の兵力です。