アサリの酒蒸しに負けないほどの旨味

ササミというと、ムネ肉同様にパサつくイメージがありますが、大丈夫! 酒ベースの下味をもみ込んでおくと、パサつかず、ふんわり仕上がります。とはいえ、加熱しすぎはパサつきの原因なので、最後は余熱で火を通します。これだけで、ササミはしっとりふんわり仕上がります。

出汁などの旨味は加えていませんが、酒蒸しパワーで鶏の旨味がしっかり出ています。アサリの酒蒸しに負けないほどの旨味。おまけに、このササミ、一度冷めても硬くなりません。すごいです、酒の保水力!

辛いのが苦手だから……という方、ご心配なく。わさびの辛みは熱で飛び、香りだけが残ります。ちょっと辛みが欲しいなと思ったら、食べるときに追いわさびを。

旨味たっぷりの濃厚な蒸し汁を一口いただいて、ひらめきました。
ここにそうめんを浸したら……さぞ、美味しいことでしょう!
夏の締めくくりに、〆そうめん、いかがですか?

 

●簡単アレンジ〈わさびバター海苔そうめん〉

蒸し汁があまりにも美味しくてもったいないので、少しのそうめん(2人で乾麺50gぐらい。もちろん茹でないそうめんです)にぶっかけ。海苔とわさびを加えたら、さらに旨味と風味が増して贅沢な〆になりました。まだ、そうめんが残っている方はぜひ!
◆「なりっち食堂」の連載一覧

ごはんに化ける ズルイおつまみ
(著:藤岡操/EDITORS)発売中!

コロナ禍のいま、自宅で楽しむおつまみの本が人気です。
私は飲むけれどパートナーは飲まないというケースや、お酒を嗜む夫婦のほかに子どもがいるケースも少なくはありません。
そこで、ワインのおつまみだけど、ちょっとしたアレンジで晩御飯のおかずにもなる! 1品つくれば家族みんなで楽しめるそんなレシピを集めました。
難しいことも面倒なこともなし。身近な食材と調味料の組み合わせだけで、楽しみはうんと広がります。どこで売っているのか分からないおしゃれ過ぎる食材も使用していません。食材も、料理の工程も少ないものばかりです。
揚げ物を食べたいけれど衣の準備が面倒……ならば、春巻きの皮を使ってパリッと焼こう!
冷蔵庫に肉も魚もない……ならば、ゆで卵と粉チーズでご馳走にしちゃおう!
和風の煮物とワインを合わせたい……ならばオリーブオイルと黒コショウをかけるだけで相性抜群に!
そんな気楽な発想で、ワインと一緒の晩ごはんを自由にのびのび楽しみませんか?
版型はコロンとした正方形に近い可愛いかたち。簡単な工程なので、本と睨めっこする必要はありません。いつまでも手元に置いておきたい、パラパラ眺めるだけで楽しくなれるそんなレシピ本です。