目指す場所の途中、道に迷い、偶然知り合った方と1枚(写真提供◎青木さん 以下すべて)
青木さやかさんの連載「50歳、おんな、今日のところは『……』として」――。青木さんが、50歳の今だからこそ綴れるエッセイは、母との関係についてふれた「大嫌いだった母が遺した、手紙の中身」、初めてがんに罹患していたことを明かしたエッセイ「突然のがん告知。1人で受け止めた私が、入院前に片づけた6つのこと」が話題になりました。
今回は「利賀村に行く人として」です。

前回「腰が痛い、足が重い、上がらない、足裏も痛む…検査を受けてみたら、椎間板ヘルニアだった!」はこちら

一人旅をすることになった

利賀村。というのは父の故郷である。 富山県南砺市利賀村。 陸の孤島とも呼ばれている。何しろ行きにくい場所なのだ。

父は、利賀村の山の上の方で生まれ育ち、大学で名古屋へ出た。そこから愛知県民になるのだが、父はそういえば富山が大好きであった。利賀村が大好きであった。

父が生きていた時は、ああそうですか、と聞き流していたが、亡くなってから、わたしは利賀村に興味を持ち始めた。何故かわからない。ファミリーヒストリー的関心だろうか。

というわけで、父のルーツを探りつつも利賀村にできたレヴォというレストランにも行ってみた(昨年テレビで福山雅治さんも行っていた!) 。実は昨夏行く予定であった利賀村、娘の体調が優れず断念。 今年こそ、と予定を立てたのだ。

「利賀村、行きましょうよ」 娘を誘った。 「行かない」 はやい! ならいいですよ、一泊でママは行きますけれど、パパのおうちに行っていてくださいね、と伝え、わたしは同行してくれる友人数人に声をかけたが皆難しく、一人旅をすることになった。