秀吉は明に何を要求したのか

中でもぼくが驚いたのは、文禄の役の後の明との講和交渉についてのものでした。

交渉において、豊臣秀吉は二つの点を強く要求したようです。

第一点は秀吉を日本国王と認める、との公式文書を発給すること。第二点は朝鮮の王子が日本にやってくること、です。

第二点は分かりやすい。王子がわざわざ来日して秀吉に挨拶することを通じて、朝鮮は日本に服属する、もしくは日本を上位の存在と認める、ということを「かたち」として表現させよう、ということです。

ぼくが驚いたのは第一点のほうです。

秀吉は明サイドが、領土でも貿易の利でも、なにがしかの譲歩をしてくるものと期待していた。ところが実際には「豊臣秀吉を日本国王とする」という文書がもたらされただけだった。

そのため彼は「お前らなんぞに言われんでも、ワシはすでに日本国王じゃわい。なめるな!」と激怒。交渉は決裂した、そう理解していました。