貧困家庭に生まれ、いじめや不登校を経験しながらも奨学金で高校、大学に進学、上京して書くという仕事についたヒオカさん。現在もアルバイトを続けながら、「無いものにされる痛みに想像力を」をモットーにライターとして活動をしている。ヒオカさんの父は定職に就くことも、人と関係を築くこともできなかったそうで、苦しんでいる姿を見るたび、胸が痛かったという。第64回は「内申がないと高校受験で不利になる」です。
不登校の子があつまるその場所
YouTuberのゆたぼんさんが、高校受験をするも不合格となったことを公表し、話題となっている。自己採点したところ一緒に受けた友達より点数が倍以上だったが、友達は合格して、ゆたぼんさんは不合格となった。理由として、中学1、2年のときに学校に行っていなかったゆえに、内申点が低いことが考えられるのだという。
文部科学省が発表した、「令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」によると、小・中学校における不登校児童生徒数は29万9048人と過去最多を記録している。不登校の生徒にとって内申点が受験に響く現状は、とても大きな問題だ。
私も中学校3年間不登校だった。1年生の4月にいじめに遭い、欠席が週1日、2日、3日…と増えて、GW明けにはもうほとんど通えなくなった。教室にはいって他の生徒と同じように学校生活を送ったのは、3年間でその1ヵ月だけだ。
不登校になったのちは、家に引きこもる時期を経て、フリースクールのようなところに通うようになった。不登校の子があつまるその場所は、いじめもなく、みな優しく、“阻害された”経験で繋がりあうことができた。そこが安住の地となり、すっかり私はそこで卒業まで過ごすつもりでいた。