「何度も同じ話を繰り返す」「物をため込む」「すぐに怒り出す」「トイレに行かない」…もしかしたらそれは、認知症のサインかもしれません。現場を知る介護エキスパートだからわかる、認知症のサインとその接し方、改善のヒントをまとめた書籍『無気力・かたくな・マイナス思考etc.【マンガで解説】認知症の人の気持ちと接し方がわかる本』から一部を抜粋して紹介します。
ご飯を食べたのに「食べてない」といわれたらどう答える?
さっき、ご飯を食べたばっかりなのに、「まだ、食べてないよ」という認知症の方は、よくいらっしゃいます。ちょっと前のことが思い出せない記憶障害の状態になると、つい自分の腹時計で正直に発言してしまうのです。
デイサービスでは、認知症の人同士が仲良しになることもよくあります。
「あんた、ご飯食べたけ?」と、お友達に聞いています。
聞かれたお友達もまた、「まだ、食べてないわ」と、自分の腹時計に正直に答えてしまいます。二人とも、2時間前には、「お腹いっぱい。ごちそうさま!」と、いっていたのに……。わたしはその後の会話の進展を、耳をダンボにして聞いています。
声が大きくなって周囲の迷惑になるほど、話がエスカレートしない限り、黙って見守ります。
しかし「いざ介入」というときに、的確な対応ができるように、二人の会話の内容は注意深く聞いています。
そのうち、二人の思いが高まって……。
「ここは、ご飯も出ないのか!」と、ついに怒りモードになってしまいました。
さぁ、こんなとき、どう答えたらいいでしょうか?
