
昔は窓を開けておくと、海風、浜風が家の中に入り、扇風機だけで、とても涼しく過ごせたのだ…(写真:stock.adobe.com)
時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは茨城県の60代の方からのお便り。家を建てて三十数年。続く猛暑に我慢も限界と、重い腰を上げエアコンを設置することにしたそうなのですが――。
はじめてのエアコン
結婚して四十数年、家を建てて三十数年。ついにわが家に、エアコンがやってきた。海に近い家なので、昔は窓を開けておくと、海風、浜風が家の中に入り、扇風機だけで、とても涼しく過ごせたのだ。
しかし近年、気温が高くなり、扇風機だけで過ごしていると、熱中症になりかねない。夫とふたりの生活で、電気代を節約するためにと、暑さを我慢して過ごしていたが、昨今の猛暑では限界。
この暑さでは、孫たちも遊びに来なくなってしまうのではないか。ようやく重い腰を上げ、エアコンを設置する決断をしたのだった。
だが、いざ取り付けようとすると、想像以上に費用がかかる。古い家なので、エアコンを付けるような間取りになっておらず、電力もアンペア不足のためブレーカーの交換が必要。2台付けたいと思っていたが、年金暮らしの老人にはお手上げだ。
結局、エアコン1台が精一杯で、夫と私が普段生活している部屋に付けることにした。ほかの部屋は今まで通り、扇風機で我慢しなくてはならない。
子や孫たちの帰省は、暑い時期は避けて、涼しくなった頃に来てもらうように伝えた。今年は夫とふたりだけの、静かな夏になりそうだ。