(イラスト:FUJIKO)
自然界のありとあらゆる場所に存在する《菌》。人間の体にも数多くの常在菌がすみつき、そのバランスによって私たちの健康状態が決まります。腸内細菌研究の第一人者である内藤裕二先生に、正しい「菌活」について聞きました。よかれと思って続けていた習慣が、実は腸内環境を乱していた、ということも。クイズで正しい知識を身につけましょう(構成:浦上泰栄)
Q1. 肉も魚もバランスよく食べることが大切?
× たんぱく質の補給は魚や豆類を中心に
加齢とともに筋肉量や筋力が低下する「サルコペニア」を改善するには、たんぱく質を十分に摂り、適度に運動することが必要。特に60代後半以降は、肉類など動物性たんぱく質を積極的に摂ることがよいとされます。
しかし、米国ハーバード大学が約20万人の成人の生活習慣を30年間追跡調査したデータを解析したところ、牛・豚肉などの赤身肉や加工肉の過剰摂取は、心臓病や糖尿病、認知症の発症リスクを高めることが明らかに。
肉類の食べすぎは腸内環境のバランスを崩し、腸内細菌の働きを阻害します。たんぱく質の摂取源はなるべく植物性のもの(大豆や大豆製品)や魚を選ぶようにし、肉を食べる際は食物繊維も多く摂るよう心がけましょう。植物性たんぱく質は食物繊維が豊富で善玉菌の働きをサポート。また、魚は肉類に比べ消化しやすく、アミノ酸スコア(必須アミノ酸のバランスを評価した数値)が高い良質なたんぱく質を多く含んでいます。
いま、健康長寿に役立つ食事として脚光を集めているのが、スペインやイタリアなど地中海沿岸の国々で食べられている、オリーブオイルと野菜、魚介類、豆類、全粒穀物を中心にした「地中海食」です。同様に、魚や野菜、豆類が豊富な和食も健康長寿食として知られていますが、唯一の違いは、和食は塩分が過剰になりがちなこと。塩分の摂りすぎは腸内細菌に悪い影響を及ぼすので注意が必要です。