(写真提供:Photo AC)
内閣府が公開した「令和7年版高齢社会白書」によると、令和6年10月1日時点での65歳以上人口は3624万人で、総人口に占める割合は29.3%だったそうです。高齢者医療の現場に長年携わる精神科医・和田秀樹先生は「仕事や子育ても一段落したいまこそ、他人の目など気にせず、好きに行動すべき」と語ります。そこで今回は、そんな和田先生の著書『これだけでいい!老けない!ボケない!和田式「アウトプット健康法」』より一部を抜粋してお届けします。

数独もパズルも、脳の老化防止には役立たない

脳の老化を防ぐために頭を使うべき――。

こう聞くと、「じゃあ、数独やパズルをやってみるか」と思う人もいるでしょう。実際、毎日せっせと数独やパズルにチャレンジしている人はたくさんいます。

もちろん、それ自体悪いことではありません。計算力は保たれるでしょうし、ヒマつぶしにもなります。しかし残念ながら、それだけでは脳の老化は止まりません。なぜなら、脳の老化のカギを握るのは、「前頭葉」だからです。

人間の大脳は、大きく前頭葉・側頭葉・頭頂葉・後頭葉に分かれています。側頭葉は言語や記憶、頭頂葉は計算や空間認識、後頭葉は視覚をつかさどるのに対し、前頭葉は、意欲、創造性、感情のコントロール、判断、実行などを担う、いわば“行動の司令塔”です。

では、先ほど挙げた数独やパズルはどこを刺激するのか。これは主に頭頂葉です。

一方、やはり脳の刺激になりそうな読書は、どこを活性化するのか。こちらは側頭葉です。

この側頭葉や頭頂葉は、意外にも年齢を重ねてもあまり衰えません。80代でも、認知症でなければ難しい本は読めますし、暗算でも簡単な計算はできます。単語を覚えるような単純記憶の能力も、加齢しても大きくは落ちません。

前述したように、衰えるのは前頭葉なのです。