「最近、人の名前が出てこない」「物忘れが増えた気がする」そんな変化に、不安を覚える人は少なくありません。総合内科専門医として生活習慣病の診療に携わり、栄養学的なアプローチによる治療や生活指導を行ってきた梶尚志先生は、「認知症は突然発症する病気ではなく、食習慣や生活習慣の乱れによって少しずつ進行する『脳のメタボリックシンドローム』です」と話します。5年後、10年後も自分らしく過ごすために、今日から始めたい食習慣と生活習慣を教えていただきました。
認知症予備軍「ブレインメタボ(R)」とは
認知症というと、「脳の病気」というイメージはあるものの、まだどこか今の自分とは関係のない他人事のように思っていらっしゃる方がほとんどだと思います。
しかし近年の研究では、認知症は単に脳だけの問題ではなく、食習慣、生活習慣や腸内環境などからくる全身の健康状態と深く関係していることがわかってきました。
私は総合内科専門医として長年生活習慣病の診療に携わってきました。その中で、強く感じているのは、認知症はある日突然始まる病気ではなく、発症する前から食習慣や生活習慣の乱れによって脳に少しずつ変化が積み重なっているということです。
これは、体にメタボリックシンドロームがあるように、脳にも食習慣や生活習慣の乱れなどによって、認知機能が低下しやすい状態が生まれている、という考え方です。
そこで私は、認知症になりやすい脳の状態を「ブレインメタボ(R)」と呼んでいます。
認知症予備軍でもある「ブレインメタボ(R)」に気づき、食習慣や生活習慣を見直すことが、これからの認知症予防の新しい常識になると私は考えています。
